抗ウイルス加工カーテン

　新型コロナウイルス感染症の流行を機に、各メーカーから抗ウイルス加工を施したカーテンが登場しました。
　医療・福祉施設のみならず、オフィス、ホテル、飲食店、一般家庭においても感染予防対策として幅広く取り入れられています。

安心の「抗ウイルス加工SEKマーク」

　数多くの抗ウイルス加工商品が販売されていますが、抗ウイルス機能については販売業界各社が独自基準で評価しているケースが少なくありません。抗ウイルス機能は目に見えないため、効能・効果に対する判断がつきにくくなります。そこで抗ウイルス機能の１つの指標となるのが、一般社団法人繊維評価技術協議会の「抗ウイルス加工SEKマーク」です。

　これはJIS L 1922（繊維製品の抗ウイルス性試験方法）に基づいて、「特定ウイルス」を2時間後に99.9%以上減少させるという水準をクリアした商品であることの証です。

　試験対象のウイルス名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」（薬機法）との兼ね合いから非公開となっていますが、ウイルスの表面にあるエンベロープといわれる膜状の構造の有無の違う2種類のウイルスに対して、そのいずれか1つ、あるいは両方のウイルスに対して効果が認められた場合に、「抗ウイルス加工SEKマーク」が付与されます。

　「抗ウイルス加工SEKマーク」がついている商品に、「新型コロナウイルスにも効果あり！」と謳っている商品はありませんのでご注意ください！　

抗ウイルス加工カーテン例

　※「抗ウイルス加工SEKマーク」を取得しているものとしていないものがあります。

サンゲツ　

　医療・福祉施設向けのネット付きカーテン、非遮光、レースのラインナップでしたが、2021年6月に「コントラクトカーテンvol.10」に掲載する遮光1級カーテン「キングストン」（6点）と制電カーテン「ボストンE」（6点）に、抗ウイルス加工を施し発売。

　いずれも「抗ウイルス加工SEKマーク」、「制菌加工SEKマーク」を取得。

抗ウイルスのメカニズム。カーテンの表面にウイルスが接触するとウイルスの外膜を変性させ減少させる。

川島織物セルコン　

　抗ウイルス効果のある「セリスト加工」を施したカーテンを20年以上前から発売。

　「セリスト加工」・・・光触媒（酸化チタン）を活用した抗ウイルス技術。ウイルスが接触した繊維状上に光（紫外線）が当たると、近くの酸素や水に反応しウイルスの構造の一部（エンベロープ）を酸化分解しウイルス数が減少。「抗ウイルス」だけでなく「消臭」機能、VOC（揮発性有機化合物）を分解する「VOC軽減」機能も有する。

　ドレープカーテン、レースカーテンあわせて200アイテム以上を展開。

スミノエ　

　抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ®」を施したカーテンを「デザインライフ」シリーズ、「コルネ」シリーズにて発売。

　「クレンゼ®」・・・「Etak®/イータック」（抗菌・抗ウイルス成分を有する薬剤）を繊維表面に強力に固定化するクラボウ（倉敷紡績㈱）独自の加工技術。広島大学大学院の歯学博士・二川浩樹教授の研究により商品化されたもの。ウイルスが「Etak®/イータック」に接触すると、ウイルス表面のタンパク質（エンベロープ）が破壊されウイルス数が減少するというメカニズム。　　