ヨーロッパのインテリア見本市情報
最先端のテキスタイルトレンドを探る
 

インテリアの本場は、何と言ってもヨーロッパです。ホームアクセサリー、家具、ベッドリネン、壁紙、カーペット、そしてカーテンなど、デザイン性の極めて高いラグジュアリーなアイテムでお部屋が飾られています。日本のインテリアも、今ではヨーロッパに負けないくらいレベルが上がってきましたが、それでも最新のデザイントレンドはヨーロッパから発信され、日本のインテリアもその影響を大きく受けています。

そうした最新のデザイントレンドを世界に向けて発信するのが、「ハイムテキスタイル」(ドイツ)や「メゾン・エ・オブジェ」(フランス)、「ミラノサローネ」(イタリア)といったヨーロッパのインテリア見本市です。特に毎年1月に開催される「ハイムテキスタイル」と「メゾン・エ・オブジェ」は、カーテンの最新トレンドを発信する見本市として、世界中のインテリア関係者から注目を集めています。「カーテン買うならこのお店」を企画・運営する「インテリアビジネスニュース」編集部も、毎年「ハイムテキスタイル」と「メゾン・エ・オブジェ」の取材を行っています。

今回は、その最新情報をお届けします。ぜひ本場のカーテンの雰囲気を味わってください。まずは「ハイムテキスタイル」から。
世界最大のカーテン専門見本市「ハイムテキスタイル」
最先端のトレンド発信で世界が注目
「ハイムテキスタイル」は世界中のカーテンメーカーが集う、世界最大のカーテン専門見本市です。ヨーロッパのメーカーはもとより、中国、インド、トルコ、パキスタンなどから2500社以上の企業が出展します。会場には、これまた世界各国の商社やショップ関係者が集まり、商品の買い付けを行います。
その規模と、活気溢れる商談風景も圧倒されるほどすごいのですが、「ハイムテキスタイル」において最大の見どころとなっているのが、最先端のデザイントレンドを発信する「トレンドエリア」です。世界一流のデザイナーが集まり、カーテンをはじめとするテキスタイルのトレンドを発信します。多くのカーテンメーカーがそのトレンドを参考にデザイン開発を行いますので、次にどんなカーテンが出てくるのか、方向性が分かるわけです。
それでは、今年はどんなカーテンがトレンドかというと、1つはやはりエコロジーです。自然素材の素材感を生かしたカラーリングは、一見質素な感じですが、実はすごいテクニックを駆使してつくられています。自然素材ならではの不均一感もあり、安らぎを感じるデザインといえます。次に透明感。薄く透けるカーテンは今もすでに流行っていますが、それだけじゃなく、例えばそこに光が当たったときにさまざまなカラーに変化する、昼間と夕方の光の違いでカーテンのカラーが変わっていく、そんな幻想的なイメージでしょうか。これも裏側にはエコロジーという考え方が含まれています。太陽の光、海の色、空気感といった、普段は意識していない存在をカーテンのデザインに取り入れることで、地球の素晴らしさを再認識しようということでしょう。実は、今回のトレンドエリアのメインテーマは、ずばり「地球を再定義する」でした。カーテンのデザインから地球を変えていくとは、なんてスケールが大きいのでしょうか。また古典的なデザインを今風にアレンジして、まったく新しいものにしてしまう、という考え方が強く表れていました。これもリユースやリサイクルという概念が想起されますね。
とにかく、カーテンのデザインって、洋服にも負けないくらい、毎年毎年すごく進化していますし、奥が深いのです。トレンドを感じながらお部屋のカーテンを掛け替えていくと、素敵なインテリアライフを過ごせるんじゃないでしょうか。
ちなみに、「ハイムテキスタイル」のトレンドをつくる世界一流のデザイナーの一人として、南村弾(なむら・だん)さんという日本人デザイナーが参加しています。カーテンの分野でも日本人のデザインセンスは高く評価されているんですよ。
次回は「メゾン・エ・オブジェ」です。